【結論】ブティック型転職エージェントを活用せよ
世の中には総合型とブティック型(専門特化型)の転職エージェントが存在しますが、広告・マーケティング業界での転職においては、ブティック型をおすすめします。その理由は、業界独特の職種や求められるスキル、さらには各企業の文化や特徴を熟知したコンサルタントの存在です。例えば、アカウントプランナー(営業)や各種専門プランナー、クリエイティブ職への転職では、実務経験のある担当者がコンサルタントとして在籍しているケースも多く、より具体的なキャリアアドバイスを受けることができます。これは、表面的なスキルマッチングだけでは見えてこない、職場環境や企業文化とのフィット感まで考慮したアドバイスにつながります。

検索で上位表示される、おすすめ転職エージェントの闇
多くの転職情報サイトでは、大手総合エージェントやブティック型エージェントが横並びで紹介されています。これらの情報の背景には、アフィリエイト報酬という経済的な動機が存在します。具体的には、「広告 転職 おすすめ」「マーケティング 転職」といった検索キーワードで上位表示される「転職エージェント○選」などの記事は、アフィリエイト収益を目的として作成されているケースがほとんどです。記事内のエージェント紹介文からユーザーが会員登録すると約2,000円、さらに初回面談まで進むと約10,000円がアフィリエイターに支払われる仕組みとなっています。
このようなアフィリエイト記事は、実は簡単に見分けることができます。記事内のエージェント紹介部分にあるリンクを右クリックし、「リンクのアドレスをコピー」を選択してみてください。URLには「af」「affiliate」といった文字列や、長い数字・文字列が含まれていることが多く、これらはアフィリエイト用のトラッキングコードです。このような記事は、必ずしもユーザーにとって最適なエージェントを紹介しているとは限らず、むしろ報酬額の高いエージェントが上位に紹介される傾向があります。
なぜ転職エージェントは大量応募させるのか
一部の転職エージェントと企業との契約には「オーナーシップ条項」が含まれており、最初に応募書類を提出した転職エージェントに、向こう1-2年間の採用手数料(年収の35%程度)の権利が発生します。本来は転職エージェントの権利を守るための条項でしたが、現在では応募者の意向や適性を十分に確認せずに、機械的に大量応募を行う悪しき慣習を生む要因となっています。
ご参考:人材紹介契約を締結する際の注意点は?主要な条項・職業安定法上の留意事項を弁護士が解説(tameni)
このような大量応募の横行により、一部の企業では特定のエージェントからの応募を機械的に不採用とするケースも出てきています。最も深刻な問題は、このような運用により、本来であれば採用されたかもしれない求職者の機会が失われていることです。優良な転職エージェントは、応募者のキャリアプランや適性を十分に理解した上で、厳選された企業のみに応募を行います。
なぜ転職エージェントは大手企業に応募させるのか
転職エージェントの中には、利益を優先して安易な企業推薦を行うケースが見られます。典型的な例が、某大手広告代理店系デジタル企業と某コンサルティングファームのエージェンシー部門への大量推薦です。これらの企業は確かに高年収で知名度も高く、常に大量採用を行っている超優良企業です。しかし、このような企業への推薦が求職者の現在のキャリアステージに本当に適しているかは、慎重に見極める必要があります。
特にポテンシャル採用(今後の成長を期待した採用)が難しいこれらの企業では、応募時点である程度のスキルセットを持っていることが求められます。本当に優秀な転職エージェントであれば、これらの企業への転職を目指す場合、まずは必要なスキルセットを明確に示し、それらを段階的に身につけていける「ブリッジ企業」(キャリアの架け橋となる企業)への転職を提案するはずです。このように、求職者の現在地と目標の間にある適切なステップを示せることが、質の高いキャリアコンサルティングの証といえます。

よい転職エージェントを見極めるポイント
よい(誠実な事業運営をしている)転職エージェントの特徴は、まずあなたのキャリアプランを深く理解しようとする姿勢にあります。以下のような点に注目して判断することをお勧めします:
・応募前に十分なヒアリングと企業研究を行っているか
・機械的な大量応募ではなく、厳選された求人のみを紹介しているか
・「5年後にどのようなポジションを目指したいか」「現在の強みと、補強が必要なスキルは何か」といったキャリアプランに関する具体的な質問があるか
・応募企業についての具体的な情報(企業文化、職場環境、期待される役割など)を提供できているか
よい転職エージェントを見つける魔法の質問
特に重要なのが「なぜ私にこの求人をすすめるのですか?」という質問です。この質問への回答を通じて、転職エージェントがあなたのキャリアをどれだけ理解しているか、また当該領域にどの程度の知見があるのかを見極めることができます。ある大手転職エージェントの担当者が「うちはAIが求人を出しているのでわかりません」と答えたという笑えない事例もあります。AIによるマッチングが一概に悪いわけではありませんが、特定の領域で専門性を深めていきたいと考えているのであれば、より踏み込んだアドバイスができるエージェントとの付き合いを検討すべきでしょう。
※僭越ながら、弊社マルニも誠実に運営している転職エージェントであると自負しています。ぜひ転職相談してください。
広告・マーケティング業界に強い転職エージェント
広告・マーケティング・デジタルマーケティング領域において、本当に信頼できる転職エージェントは実は4-5社程度に限られます。これらのエージェントの特徴は、広告会社や事業会社のマーケティング部門との強いパイプを持ち、非公開求人の割合が高いことです。また、業界出身のキャリアアドバイザーが多く在籍し、現場レベルでの詳細な情報提供が可能です。さらに重要なのは、応募者一人一人のキャリアプランを丁寧に確認し、それに合致する厳選された企業のみを紹介する姿勢を持っていることです。
転職エージェントとの効果的な付き合い方
良質なエージェントが見つかった後は、密なコミュニケーションを心がけましょう。特にブティック型エージェントは、採用企業の人事部門や現場の部門長と独自のパイプを持っていることが多く、公開情報だけでは得られない貴重な情報を持っています。以下のような点について、積極的に情報を引き出していくことが重要です:
・企業の今後の展開や注力事業:人事部門から得た、まだ公開されていない事業戦略や組織の方向性
・配属部署の実態:部門長から直接聞いた、チームの雰囲気や求める人物像の詳細
・求人の背景:組織拡大なのか、欠員補充なのか、新規事業立ち上げなのかなど、募集の真の理由
・キャリアの伸び代:入社後のキャリアパスや、スキルアップの機会について、具体的な情報
・評価のポイント:選考過程で重視される要素や、入社後の評価基準について

まとめ:転職成功への道筋
転職エージェント選びは、あなたのキャリアを左右する重要な決断です。表面的な情報や評判だけでなく、実際のコミュニケーションを通じて、あなたの中長期的なキャリアプランを真摯に考えてくれるパートナーを見つけることが重要です。特に広告業界では、業界特有の知識と経験を持つ転職エージェントとの出会いが、転職成功の鍵となります。重要なのは、目先の条件だけでなく、キャリアアップの機会を重視した選択をすることです。安易な大量応募ではなく、厳選された企業への戦略的な応募を支援し、あなたの将来的な成長をしっかりと見据えてアドバイスできる転職エージェントを選ぶことで、よりよいキャリア構築が可能となります。
転職における本質的な選択基準とは
転職時に多くの方が重視されるのが、年収アップやワーク・ライフ・バランスの改善です。しかし、特に若手の方々にとって最も重要なのは、「今よりキャリアアップできるか」という点ではないでしょうか。マルニでは、求職者の方の中長期的な人生を見据えた支援を心がけています。なぜなら、年収の向上や理想的な働き方の実現は、自身の市場価値を高めることで必然的についてくるものだからです。
つまり、転職先選びで最も重視すべきは、専門性を磨ける環境があるかどうかです。たとえ今は給与が現職と同程度、あるいは勤務条件が理想とは少し異なっていても、キャリアの幹を太くできる環境であれば、それは長期的に見て大きな価値があります。自らの実力を磨き、市場での競争力を高めることができれば、将来的には待遇面での要望も実現しやすくなるのです。
よい転職エージェントの見つけ方を無料で教えます
株式会社マルニでは、広告・マーケティング業界に特化した転職支援の経験を生かし、よい転職エージェントの見つけ方に関する無料相談を承っています。これから転職活動を始める方は、まずマルニにご相談いただくことで、より効率的なエージェント選びが可能です。また、すでに他の転職エージェントをご利用中で違和感をお持ちの方には、セカンドオピニオンとしてもご活用いただけます。豊富な業界経験に基づく客観的なアドバイスを通じて、あなたの転職成功をサポートいたします。