
組織を成長させるHRBPとして「中途採用」の優先度は高い
荒井さんのこれまでのご経歴を教えてください。
荒井: 新卒でマンションデベロッパーに入社し、個人向けのマンション販売営業を3年ほど担当するなかで、プロモーションの面白さを知りました。
のちに、大手不動産会社のプロモーション支援をする会社を経て、転職したのがデジタルマーケティングエージェンシーのシナリオです。当時は創業間もない小さな組織でしたが、グローバルで事業を展開するスポーツメーカーのSNS運用案件をはじめ、様々な業務を任せていただいていました。
そのシナリオをM&Aしたのが、Supershipです。M&Aと同時に私もジョインし、アカウントプランナーや運用ディレクションを担当しました。
荒井さんが人事のキャリアにシフトしたのはその後でしょうか。
荒井: はい。産休・育休を経て復職する際に、自分のこれからをあらためて考えました。このままセールスの仕事を続けるのではなく、違うスキルを身につけて自身のキャリアに幅を持たせたい。その意思を会社に相談するうちに、人事の仕事に興味を持つようになりました。
人事にジョブチェンジした後、最初のうちは育休から復帰する方々のサポートや制度の整備を担っていましたが、少しずつ「組織目標を達成するためには、どんな人材の配置や採用が必要か」を考えるHRBP寄りの役割を担うようになり、現在は採用業務も兼務しています。
企業の安定性とベンチャー7社が生み出す「共創体」としての先進性を併せ持つ
続いて、Supershipの事業について教えてください。
荒井: Supershipは7社のベンチャー企業が合併してできた会社です。親会社がKDDIで、電通の資本も入っています。大企業のアセットを活用しながら事業を推進できることが、当社の強みです。
事業は2つの領域に分類しており、1つは広告プロダクトとデータマーケティングのコンサルティングを軸としたマーケティングソリューション事業、もう1つはECやリアル店舗を運営されるリテール事業者さまのCX向上とメディアマネタイズを支援するデータソリューション事業です。
マーケティングソリューション事業においてはKDDIのハウスエージェンシーとしての強みを活かし、安定した収益基盤を確立しています。また、その実績と知見を基に、リテール事業者さま向けに新たなソリューションを開発する「両輪」の事業構造が特徴です。
データソリューション事業の中でも代表的なものが、大手ファッションモールをはじめとするECサイトに導入されているサイト内検索エンジン「S4(エスフォー)」です。さらに、ECサイト内に検索連動型広告を導入するソリューション「S4Ads(エスフォーアズ)」や、実店舗にNFC搭載の什器を設置し、スマホでタッチすることで自社アプリやメディアに誘導しクーポンなどの特典提供やデータ活用を促進する店舗型リテールメディアソリューション「Supership Touch Gift(タッチギフト)」も展開しています。
KDDIグループの一員としての安定性と、ベンチャーらしい先進的なソリューションの共存は、求職者にとっても魅力的です。会社の雰囲気はいかがですか?
荒井: Supershipはベンチャー7社による「共創体」です。多様なバックボーンを持つ社員が在籍していますが、同時に各社の文化や個々人の価値観を尊重し合う空気があります。一方で、いわゆる大企業ではないため、事業戦略や注力領域を柔軟に変化させる会社でもあります。その変化を「楽しむことができる」人が活躍する社風だと思います。実際、今後はマーケティングソリューション事業も、KDDIのみならず他のクライアントに対しても価値提供していきたいと考えています。データソリューション事業においてはこれからマーケットが成熟していくとされる段階ですし、この両軸の事業を強固にしつつ、新しい事業にも挑戦の幅を広げていくことになると思います。
Supershipの人事として、荒井さんが大切にしていることは何でしょうか?
荒井: 採用面接では、候補者が「変化を楽しむことができるか」を重視して確認させていただくようにしています。また、Supershipが掲げる「Super 未来志向」「Super Challenge」「Super ジブンゴト化」「Super Honesty」という4つのバリューに共感できる方に入社いただき、入社後もそれらを存分に体現できる環境作りに力を注いでいます。
さらに、私自身も、バックオフィスにいるからといって受け身の姿勢ではいられません。「私たちも事業を推進する一員である」という意識を持ち、Supershipの成長を積極的に支えていきたいと考えています。
クライアントの事業成長にコミットする姿勢は「数字」よりも大切
Supershipが求める人材像についてお聞かせください。荒井さんは主にマーケティングソリューション事業領域の採用を担当されているとうかがっています。
荒井: 例えば「アカウントプランナー」の採用では、営業としての「価値観」を確認させていただくようにしています。実績だけを追うのではなく、クライアントの事業成長に本気でコミットしてほしいと考えるからです。クライアントが抱えている本質的な課題を理解し、単なる御用聞きにとどまらず、時には違った角度からの提案もする。クライアント側の一員になったつもりで、「ジブンゴト化」して推進できる方を求めています。また、クライアントと中長期的な伴走を通じて深い信頼関係を築ける能力も重要な条件です。
「クライアントの事業成長に貢献したい」という思いをお持ちの方には、ぴったりのポジションです。さらに、ハウスエージェンシーとして支援しているKDDIへの出向を通じ、事業主視点での経験が積めるチャンスもあります。
「クライアントファースト」で動けるかどうかが第一ということですね。マーケティングソリューション事業において、アカウントプランナー以外にはどんな職種を募集していますか。
荒井:運用ディレクター、データアナリティクスのコンサルタント、運用トレーダー、CRMコンサルタント、アフィリエイト関連など、様々な職種で募集しています。その中で最も募集人数が多いのがアカウントプランナーです。これから事業をさらに拡大していくフェーズにあり、総合代理店や専業代理店でマーケティング支援の経験を培われてきた方に是非当社で活躍いただきたく、採用を強化しています。
マルニは採用側にも求職者にも粘り強く「向き合ってくれる」
中途採用において、何を課題に感じていますか。
荒井: 一番のハードルは採用候補者の母集団形成です。まだまだSupershipという会社が知られていないこともあり、母集団形成に課題があります。また「この候補者に是非入社いただきたい!」と思っても、他の企業と競合するケースが多いことも事実です。候補者にSupershipの魅力を伝え切れないことには、採用活動は順調とは言えません。
そうなると、Supershipが大切にしている価値観を深く理解し、候補者に伝える作業が、採用活動のカギになりそうです。その点で、当社のようなブティック型エージェントにはどのような期待をお持ちでしょうか。
荒井: 広告・マーケティング・IT業界に特化した知識や専門性を生かし、候補者に対してSupershipの魅力を解像度高くアピールしていただきたいと思っています。
マルニさまのようなブティック型エージェントは候補者個々人の強みや志向、価値観と、採用企業側が求めているもののマッチングを最優先で考えていただける点がとてもありがたいです。その上で「Supershipでこんなキャリアを歩みたい」とご納得いただいた候補者とつないでくださるので、安心感が違います。
とりわけマルニさまは、採用する企業にも候補者にも向き合っていただける印象を持っています。例えば、「競合のエージェンシーに比べるとSupershipはこの点で劣っているので別の点をアピールした方がいいですよ」と、包み隠さずご指摘やご提案をいただくことがあります(笑)。「この点でマッチングしているはずなので、ぜひよろしくお願いします」と熱を帯びた提案をいただくこともあり、候補者一人ひとりの方への「想い」も強いのだと感じます。。こうした粘り強いコミュニケーションは、中々ないのではないでしょうか。
最後に、これからの採用方針と、当社マルニへのご期待をお聞かせください
荒井: 採用活動において、内定承諾をいただくことがゴールではありません。候補者が入社し、Supershipの事業と社風にフィットして仕事を楽しみ、活躍いただくまでが、私たち人事の仕事です。マルニさまには、引き続き私たちの事業の理解を深めていただきながら、長く伴走していただきたいと期待しています。