「いつかは地域に関わる仕事がしたい」 そう思いながらも、日々の忙しさに追われ、具体的な一歩が踏み出せない。あるいは「自分には地域の魅力をゼロから生み出すような特別な才能はないから」と、どこか他人事のように感じてしまっている。そんな首都圏のビジネスパーソンは少なくないはずです。
けれど、地域創生に必要なのは「0から1を生む才能」ではなく、「今ある価値を、世の中のニーズと結びつける技術(マッチング)」だとしたらどうでしょうか?
マガジンハウスのローカルWebメディア『コロカル』と佐賀県がタッグを組んだ「コロカルアカデミー with 佐賀」。約2ヶ月にわたり開催されたこのプログラムは、単なる学びの場ではなく、参加者たちが「自分のビジネススキル」が地域で通用することを確認する場となりました。
なぜ今、佐賀でこのプログラムが必要だったのか。そして、そこから何が生まれたのか。現場の熱気をレポートします。
「箱モノ」ではなく、時間をデザインする
全4回のプログラムの前半で共有されたのは、地域の捉え方そのもののアップデートでした。
第1回に登壇した建築家のクマタイチ氏と『コロカル』編集長の杉江宣洋氏が語ってくださったのは、「シェア」と「編集」というキーワードです。 建物というハードを作って終わりではありません。その場所でどんな時間が流れ、どう人々が関わり合うか(シェアするか)を設計する。そして、地域に既にある「当たり前」を、外からの視点で面白がり、新しい文脈を与える(編集する)。
参加者たちはここで気づかされたはずです。地域創生とは、誰も見たことのない新しい施設を作ることではなく、今ある価値に光を当て直す作業なのだと。
センスに頼らない。「マッチング」という確かな思考法
「想いはあるけれど、どう企画にすればいいか分からない」。そんな壁を突破するために用意されたのが、第3回のプランニング実践でした。
ここで提示されたのは、センスやひらめきに頼らない、ロジカルな「勝ち筋」の作り方です。 コロカルプロデューサーの横山淳氏が強調したのは、「アイデアとは、0から1を生むことではなく、既存の要素の新しい組み合わせ(マッチング)である」という定義でした。
佐賀県には、豊かな食材、伝統工芸、美しい風景といった「素材」が既に豊富にあります。そこに、今の世の中の「文脈(コンテキスト)」をどう掛け合わせるか。
佐賀の伝統産業 × 推し活
嬉野の温泉街 × スモールラグジュアリー
有明海の干潟 × ウェルビーイング
ただ良いものを並べるのではなく、ターゲットが求めている体験やトレンドと「マッチング」させる。この思考法を手に入れた瞬間、参加者たちの漠然とした想いは、他人を説得できる骨太な「企画」へと変わっていきました。
普段、都心のビジネスで磨いているマーケティング感覚や、顧客視点。それこそが、実は地域が最も求めているスキルだったのです。
ここから地域創生のキャリアの第一歩を
迎えた最終回。クマ氏と杉江編集長を前に、参加者たちが「私が佐賀でやりたいこと」をプレゼンしました。
当初は「地域とどう関わればいいか」という漠然とした想いを抱えていた参加者たち。しかし、「マッチング」の視点を手に入れた彼らの提案は、どれも佐賀のポテンシャルを最大限に引き出すユニークなものばかりでした。プロからの愛ある厳しいフィードバックを受けながらも、会場には確かな熱気が満ちていました。
アンケートの結果も、その手応えを裏付けています。 参加者の多くが「地域創生を自分ごととして考えるきっかけになった」と回答しています。「佐賀に関わる仕事やプロジェクトをもっと知りたい」「実際に佐賀に行ってみたい」という声も溢れました。
このアカデミーが証明したのは、適切な視点(編集力)と確かな思考法(マッチング)があれば、距離や経験の壁は越えられるということです。
佐賀県には、挑戦者を受け入れる土壌と、それをサポートする行政・企業のネットワークがあります。 もし、この記事を読んで心が少しでも動いたなら、それはもう、あなたが次のプレイヤーになる準備ができている証拠かもしれません。
まずは佐賀を訪れてみる。あるいは、地域と深く関わる企業の門を叩いてみる。 その小さな一歩から、あなたの新しいキャリアは動き出すはずです。
参考:【無料】コロカル、佐賀県と共同で地域創生の学校「コロカルアカデミー with 佐賀」(全3回+フィードバック回)を開講!
参考:地方創生プランナーとは







