マーケティング辞典

最終更新日:2025.01.21

プロダクトマネージャー(PdM)とは

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プロダクトマネージャー(PdM)とは

プロダクトマネージャー(PdM)は、製品やサービスの開発から市場投入、成長戦略まで一貫して責任を持つ職種です。ユーザーニーズの発見から、製品コンセプトの策定、開発チームとの協働、マーケティング戦略の立案まで、プロダクトのライフサイクル全体をマネジメントします。近年のデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に伴い、特にIT業界やスタートアップ企業において、重要性が増しています。

プロダクトマネージャー(PdM)の業務内容

プロダクトマネージャー(PdM)の業務は、UX・開発・ビジネスの3つの領域にまたがる9つの主要スキルを駆使して遂行されます。まず「プロダクト知識とビジョン」では、市場とユーザーを深く理解し、製品の将来像を描きます。「ユーザー中心のデザイン思考」と「ビジネス戦略」を組み合わせることで、実現可能で収益性の高い製品計画を立案。「開発・実装のエンジニアリング」の知識を活かし、技術チームと効果的なコミュニケーションを図ります。

さらに「データ分析」でユーザー行動や市場動向を把握し、「プロジェクト管理」スキルで開発工程を最適化。「コミュニケーションとリーダーシップ」を発揮して社内外の関係者との調整を行い、「問題解決と意思決定」能力で様々な課題に対処します。「顧客対応」では、ユーザーの声を直接聞き、製品改善につなげていきます。

プロダクトマネージャー(PdM)になるには

先述したとおり、プロダクトマネージャー(PdM)になるために必要とされる能力は、UX・開発・ビジネスの3つの領域に大別されますが、これらすべての能力を高いレベルで兼ね備えている人材は極めて稀少です。そのため、現実的なアプローチとしては、まず自身の得意分野(例えば、UXデザイン、エンジニアリング、ビジネス戦略のいずれか)を核として確立し、その他の領域については各分野のスペシャリストとの協働を通じて補完していくことが賢明です。その過程で、パートナーとなるスペシャリストたちとの協業経験を通じて、徐々に他分野の知識やスキルを吸収し、総合的な能力の向上を図っていくのが効果的です。

現状では、エンジニア出身者やビジネスサイド出身者がプロダクトマネージャー(PdM)にキャリアアップするケースが多く見られますが、UXデザイナーからの転身は比較的少数にとどまっています。しかし、近年のプロダクト開発において、優れたユーザー体験の設計がビジネス成功の鍵を握ることが多く、UXの専門知識を持つ人材のプロダクトマネージャー(PdM)としての可能性も非常に高いと言えます。ユーザーの課題を深く理解し、それを解決するプロダクトを構想できるUXデザイナーは、今後プロダクトマネージャー(PdM)としての活躍の機会が増えていくことが期待されます。

プロジェクトマネージャー(PM)との違い

デジタルビジネスの世界では、似て非なる二つの「PM」という役職が存在します。一つは「プロジェクトマネージャー(Project Manager、PM)」で、もう一つが本稿で解説する「プロダクトマネージャー(Product Manager、PdM)」です。

プロジェクトマネージャー(PM)は、特定の目的を持った一連の業務や企画、すなわちプロジェクトの遂行を担当します。例えば、新機能の実装や既存システムの改修といった、明確なゴールと期限を持つプロジェクトの管理が主な役割です。スケジュール管理、予算管理、リソース配分など、定められた制約の中でプロジェクトを成功に導くことに注力します。

一方、プロダクトマネージャー(PdM)は、製品やサービス全体の戦略とビジョンを担う責任者です。「何を」「誰に向けて」「どのような目的で」作るのか、そして「どんな課題を解決するのか」という本質的な問いに向き合い、プロダクトの開発から販売に至るまでの全体戦略を統括します。市場調査やユーザーニーズの特定から、製品コンセプトの策定、開発方針の決定、そして長期的な製品進化の設計まで、プロダクトのライフサイクル全体に深く関わります。

このように、プロジェクトマネージャー(PM)が「いつまでに」「どのように」特定のプロジェクトを完遂させるかに焦点を当てるのに対し、プロダクトマネージャー(PdM)は「なぜ」「何を」作るべきかという、より本質的な価値創造に重点を置く点で大きく異なります。

プロダクトマネージャー(PdM)のキャリアパス

プロダクトマネージャー(PdM)としてのキャリアは、製品の規模や責任範囲によって段階的に成長していきます。多くの場合、アソシエイトやジュニアな立場としてキャリアをスタートし、シニアへと昇進していきます。さらに経験を積むと、複数の製品ラインを統括するディレクターやVPoP(Vice President of Product)へとステップアップ可能です。また、これまでの実績を生かして起業するケースや、製品戦略のコンサルタントとして独立するキャリアパスもあります。

プロダクトマネージャー(PdM)の転職ならマルニ

株式会社マルニではプロダクトマネージャー(PdM)の転職支援を行っています。代表コンサルタント若林、丸本はこれまでの担当プロジェクトでプロダクトマネージャー(PdM)と協業してきました。そのため、プロダクトマネージャー(PdM)に求められるスキルや転職の市況感について熟知しています。お気軽にお問い合わせください。

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