局担とは
広告業界において「局担」とは、「テレビ局付営業担当者」の略称で、テレビ局との橋渡し役を担う重要なポジションです。主に広告代理店に所属し、放送枠の確保や番組提案、スポンサーシップの調整など、TVメディアに関連する営業活動全般を担当します。インターネット広告の取り扱い金額がマス広告の取り扱い金額を超えた現代においても、テレビCMは依然として強力な広告手段であり、それを一手に担う局担の役割は広告業界において不可欠な存在となっています。
局担の業務内容
局担の主な業務は、広告代理店とテレビ局間の仕入れ商談における調整業務です。具体的には、CM枠の購入、番組提案、タイムテーブルの調整、料金交渉などを行います。また、新番組の企画段階から参画し、クライアント(広告主)のニーズとテレビ局の意向を擦り合わせる役割も担います。さらに、視聴率データの分析や市場動向の把握、競合他社の動きなども常にウォッチし、クライアントに最適な提案を行うためのマーケティング活動も重要な業務の一つです。
局担の専門性
局担の仕事は、まさに職人芸と呼ぶにふさわしい専門性の高い業務です。その真髄は、長年の経験で培われる「目利き力」と「人脈」にあります。例えば、視聴率データだけでは判断できない番組の将来性を読み取ったり、クライアントの意図を深く理解した上で最適な放送枠を提案したりする能力は、机上の学習だけでは得られません。
特に重要なのが、テレビ局との信頼関係構築です。プライムタイムの貴重な放送枠や、人気番組のスポンサー枠の確保には、局担個人の信用力が大きく影響します。この信用は、日々の取引での誠実な対応や、業界の暗黙のルールを理解した振る舞いによって、何年もかけて少しずつ築き上げられていきます。また、クライアント、広告代理店、テレビ局という三者の利害を調整する際には、状況に応じた柔軟な交渉術が求められます。この「さじ加減」も、多様なケースを経験することでしか身につかない職人的な技能と言えるでしょう。
局担と業推
局担と業務推進局(業推)は、互いに補完し合う関係にあります。局担がテレビ局との直接的な営業折衝や放送枠の仕入れを担当するのに対し、業推は広告代理店内部での調整や管理業務を担当します。業推の主な役割は、局担が獲得した放送枠の社内での配分調整や、売上管理、請求書処理などの事務処理です。特に、複数のクライアントが同じ放送枠を希望する場合の優先順位付けや、予算管理、社内の各部門との調整など、局担の営業活動を後方支援する重要な業務を担っています。
また、業推は局担から得られる市場情報や取引状況を分析し、全社的な営業戦略の立案にも関与します。テレビ局ごとの取引実績や視聴率トレンドなどのデータを管理・分析することで、より効果的な広告枠の提案や、新規ビジネスの開発にも貢献しています。
局担になるには
配属やジョブローテーション以外、転職で局担になるには、広告業界での営業経験やメディア関連の職務経験が重視されます。特に、広告代理店での営業経験や、テレビ局での番組制作・営業経験者は、即戦力として重宝されます。経験者の求人が中心となりますが、若手育成に力を入れている広告代理店では、適正さえあれば、異業種からの転職者も積極的に採用しているケースもあります。
局担に必要なスキル
局担に求められるコミュニケーション能力は、一般的な営業職とは一線を画す高度なものです。その特徴は、多様なステークホルダーとの「重層的なコミュニケーション」にあります。テレビ局、広告代理店、スポンサー企業など、それぞれの立場や利害が異なる関係者と、同時並行で良好な関係を築き、維持していく必要があるためです。
特に重要なのが、「空気を読む力」と「調整力」です。例えば、テレビ局との商談では、先方の意向を察知しながら適切なタイミングで提案を行い、クライアントとの打ち合わせでは、業界特有の専門用語や慣習をわかりやすく説明する能力が求められます。また、突発的な番組編成の変更や、クライアントの急な要望変更などにも、冷静に対応しなければなりません。
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