CMプランナーとは
CMプランナーは、テレビCMの企画を担う職種です。クライアントの商品やサービスの特徴を深く理解し、生活者に効果的に訴求するための企画を練り上げ、視聴者の心に残る印象的なCMを生み出すことが求められます。大手広告代理店では「CMプランナー」という職種名で採用されることが一般的ですが、CM制作会社ではより制作/演出寄りの「CMディレクター」といった名称で呼ばれることもあります。
CMプランナーの業務内容
CMプランナーの主な仕事は、クライアント(広告主)のオリエンテーションを受けるところから始まります。商品特性や生活者の情報、その他キャンペーン施策などの情報を手がかりに、CMのコンセプトや企画を立案します。その後、CM制作会社のプロデューサーやディレクター(監督)と協力して台本・コンテを作成し、演出家やカメラマン、音楽制作者など、さまざまなスタッフとのディスカッションを重ねながら映像を作りあげていきます。撮影現場では、クライアントの意向とクリエイティビティのバランスを取りながら、全体のディレクションを行うことも重要な役割です。
CMプランナーの活躍の場は広がっている
SNSや動画プラットフォームの急速な普及により、CMプランナーの活躍フィールドは大きく広がっています。従来のテレビCMに加え、YouTube、Instagramなど、それぞれのプラットフォームに最適化された動画コンテンツの企画立案が新たな業務として定着しつつあります。特に、Z世代やミレニアル世代をターゲットとしたキャンペーンでは、SNSでの動画展開が必須となっており、CMプランナーには各プラットフォームの特性を理解した効果的な企画力が求められています。
さらに、TikTokやYouTubeショートなどショート動画の台頭により、15秒以下の超短尺コンテンツの需要も増加しています。限られた時間で視聴者の心を掴み、商品やブランドの魅力を伝えるには、従来以上の創造性と戦略的思考が必要となります。また、ユーザー自身が動画を作成して拡散するUGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用したキャンペーンの企画など、新しい形のクリエイティブ展開も増えています。このような環境変化により、CMプランナーには「テレビCM」「Web動画」「SNS短尺動画」など、複数の映像フォーマットを横断的に扱える総合的な映像プランニング能力が求められるようになっています。
CMプランナーになるには
CMプランナーになるには、広告代理店に新卒で入社する必要があります。社内のクリエイティブ試験に合格すると晴れてクリエイティブ部署にCMプランナー/コピーライターとして配属されることになります(※)。クリエイティブ部署は人数が限られているため、希望者が多い場合は営業や他のスタッフ部署にて経験を積みながら転局のチャンスを待つ必要があることも。非常に稀なケースとしては、CM制作会社にてCMディレクションや演出を担当していた方が実制作の経験を買われ、広告代理店にCMプランナーとして中途入社することもあります。
(※)本記事ではCMプランナー/コピーライターという前提ですが、アートディレクターやデザイナーがCMプランナーを兼ねる場合もあります
CMプランナーのキャリアパス
CMプランナーは先輩プランナーの指導を受け、アシスタントとして実務経験を積んでいきます。5年目程度で一人前のプランナーとして独り立ちすることが多く、独立した案件を担当できるようになります。さらにキャリアを積むと、大型キャンペーンのリーダーを任されはじめ、ゆくゆくはクリエイティブディレクターとしてクリエイティブプロジェクトを統括する立場に。また、実力のあるCMプランナーはクライアント(広告主)からの信頼を勝ち取り、フリーランスとして独立したり、制作会社を立ち上げたりするケースも少なくありません。
CMプランナーに関するおすすめの書籍
CMプランニングをする際に役立つ、「面白さとはなにか」を考える材料と書籍をご紹介します。
・面白くならない企画はひとつもない 高崎卓馬のクリエイティブ・クリニック / 高崎卓馬
・面白いって何なんすか!?問題――センスは「考え方」より「選び方」で身につく / 井村 光明
CMプランナーに転職するには
株式会社マルニではCMプランナーへの転職支援を行っています。所属コンサルタントの丸本は博報堂アイ・スタジオや東急エージェンシーにてCMプランニングの経験がございます。また、これまでの紹介実績から、いくつかの広告代理店のクリエイティブ部署に関しましては特別ルートもご用意できます。ぜひ一度お問い合わせください。