コミュニケーションプランナーとは
コミュニケーションプランナーとは、メディア環境が複雑化した現代において、マーケティング戦略全体を俯瞰しながら、商品やブランドと生活者との接点をフラットな視点で見つめ、最適なコミュニケーション戦略および戦術を立案する専門家のことを指します。4マスをはじめとする従来の広告プロモーションが機能しにくくなっている中で、生活者心理、ときにはインサイトと呼ばれる自身も気づいていない欲求の兆しからコミュニケーションコンセプトを生み出し、新たな生活者との接点となるような最適なメディア戦略や生活者文脈に則った広告クリエイティブおよびコンテンツ体験を構築していきます。
コミュニケーションプランナーの業務内容
コミュニケーションプランナーの業務内容は多岐にわたります。マーケティングにおける問題/課題設定、戦略策定、ターゲット行動分析、カスタマージャーニーの設計、コミュニケーションコンセプト策定、メディア選定、コンテンツ企画制作、PRプランの策定まで担うこともあります。ストラテジックプランナーやクリエイティブディレクター、各種プランナー、などそれぞれの専門家もアサインされることが多いため、一人で全てをやりきることはほとんどありませんが、目的に合わせて、コミュニケーション全体をディレクションする必要はあります。また、デジタルマーケティングが普及する中で、SNSやインフルエンサーマーケティングを活用した施策立案も求められることが多いです。
コミュニケーションプランナーになるためには
コミュニケーションプランナーの仕事はマーケティング戦略からコミュニケーションプランを描き、TVCM、デジタル広告、イベントプロモーション、PR、SNS、CRMなどあらゆるプロモーション手法を組み合わながらコミュニケーション全体を最適化していくことです。ロジカルな視点と各施策に落とし込むためのクリエイティビティを備えている必要があります。そのため、まずは何らかの全体感を養える職種で研鑽を積むことが多いです。営業やアカウントプランナーとしてクライアントの施策全体に関わっていた方、ストラテジックプランナーとしてマーケティング戦略とコミュニケーションプランニングをブリッジされていた方、プロモーションプランナーとしてさまざまな施策に携わっていた方などが、転職や部署替えによってコミュニケーションプランナーを名乗ることが多いようです。まずはそのような職種に就ける中規模以上の広告代理店もしくはマーケティング支援会社などを探すのがよいでしょう。
コミュニケーションプランナーとコミュニケーションデザイナー
インターネットメディアおよびCGM(コンシューマージェネレイテッドメディア)が台頭し、生活者の受け取る情報量が膨大になりはじめた2005〜2015年前後の時代。広告業界ではTVCM、ラジオ、新聞、雑誌といった4マスメディアだけにとらわれずに自由度の高いメディア選定/メディア開発およびそれらのメディア文脈にあった企画で生活者との接点を創出しようという考えが広まりました。電通ではそれらの企画を実現するクリエイティブ/デジタル人材をコミュニケーションデザイナーと呼び、コミュニケーションデザインセンターという部署が作られていました。この流れは他の広告代理店および事業会社にも波及し、各企業にコミュニケーションデザインと名のつく部署が増えています。コミュニケーションデザイナーは実施やクリエイティブに寄った職種ではありますが、コミュニケーションプランナーと近しき職種であるといえるでしょう。
コミュニケーションプランニングに関するおすすめの書籍
コミュニケーションプランニングを考えるうえで全体像をつかみやすい書籍をご紹介します。一部PRやメディア関連の書籍も含まれていますが、現代的なコミュニケーションを考えるうえで役に立ってくれるはずです。
・『明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法』 / 佐藤尚之
・『手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略』/ 磯部光毅
・『戦略PR 最新版 世の中を動かす新しい6つの法則』 / 本田哲也
・『MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体』 / 田端 信太郎
コミュニケーションプランナーに転職するには
株式会社マルニではコミュニケーションプランナーへの転職支援を行っています。所属コンサルタントの丸本は博報堂アイ・スタジオでインタラクティブプラナーを務めたのち、東急エージェンシーでコミュニケーションプランナーへとキャリアチェンジした経緯がございます。実体験をもとにしたキャリアアドバイスが可能ですので、ぜひ一度お問い合わせください。